【ヴィーガン以外にもおすすめの環境系ドキュメンタリー】Kiss the Ground(キス ザ グラウンド 大地が救う地球の未来)

映画

配信されるのを待っていたNetflixの新しい環境系ドキュメンタリーが予想以上に良くて、私が理想とする生活に1番近かったので今日はこれを紹介します!

Kiss the Ground Movie (Official Trailer 2020)

『この世界の表土はあと60年で砂漠化し消滅する、つまりあと60回しか人類は収穫を迎えることが出来ない』

これが事実だと知った時 あなたはどうしますか?

2020年9月22日に配信されたこのドキュメンタリーは土壌をテーマにした作品で
他のドキュメンタリーと違うのは決してヴィーガンを推しているわけでもなく、私たち個人でも出来る事を提案してくれて希望が持てる終わり方である点です

環境再生型農業を提唱するカリフォルニアベースの非営利団体Kiss the Groundを運営する環境活動家でもあるジョシュ・ティケル、レベッカ・ティケル監督の作品で、彼らのYouTubeでも環境再生のアイディアを動画を通じて学ぶ事ができます
ジョン・レノンの息子ジュリアン・レノンがエグゼクティブ・プロデューサーを務めており、彼は配信開始前日の9月21日にUNESCO(国際連合教育科学文化機関)の文化交流&平和実現賞を受賞しました。(彼の活動はこちら→The White Feather Foundation)
ナレーターには俳優のウディ・ハレルソン、他にも有名なQBのトム・ブレイディ、その妻で元VSモデルのジゼル・ブンチェン、俳優のイアン・サマーホルダー、パトリシア・アークエット(彼女の活動はこちら→givelove.org)、ロザリオ・ドーソン、歌手のジェイソン・ムラーズが出演していて、ジェイソン・ムラーズは新曲“Kiss the Ground”を本作品に提供しています

環境再生と農業と土壌

最近サステイナブル(持続可能な)と同じくらいよく聞くようになった環境再生(リジェネレーション)という言葉、それがこの作品のキーになっています

サステイナブルは名前の通りずっと続けていける形
持続可能な社会を実現するために、排出する二酸化炭素やメタンガスの量を減らすのはもちろん必要で努力を続けていく必要があります

リジェネレーションは人間活動の方向性を変える事で、今までの問題をなくすだけでなくそれにより失われた物を回復していくということ

環境再生型農業に切り替えれば、気候変動の大きな原因である地球温暖化、その大きな原因であるカーボン(炭素)をより多く地中下に吸収し閉じ込めることができ、地表の温度を下げたりより多くの雨をもたらし砂漠化を止めることが出来るという。

そこで出てくるカンザス州の農家Gabe
彼は不作が続いたため土壌と生物多様性について勉強し、環境再生型に切り替えました
現在は年間を通して多種多様な作物を化学薬品なしで栽培していて、彼の農場には豊かな生物多様性があり、土が生きています。片や従来型農業システムの隣家の畑の土地は砂漠化しています
彼は自分の土地の中で循環を生み、環境に優しいだけでなく政府の保護や大きなシステムに依存しない自立した農家として経済的に成功
それを他の農家にも広める活動も行っていて、彼が環境再生を重視した農業に切り替えてどのようになったのかは作品にも少し出てきたTED Talkでも聞く事ができます

すでに世界の3分の2が砂漠化していて、毎年40億人がその土地を捨て移住しなければいけないところまで来ていて、2050年までに約10億人が砂漠化により難民となるだろうと言われている中で私たち1人1人がそれをリバース出来る可能性を与えてくれるだけでもこの作品を見る価値がある

世界的にモノカルチャー(単一作物を生産する農業形態)が一般的かもしれませんが
機械で耕うんし、肥料・除草剤・殺虫剤を大量散布し収穫を続けているという事が何に繋がっているのか考えたことはありますか?

政府の推奨するアメリカの農家の70%が育てているのは大豆、とうもろこし、干し草。その99%は畜産動物の餌で人間のものではない。政府の推奨するこれらの作物を育てても補助なしでは成立せず、経済的に苦しむ農家も多く、訴訟も起こっています

大量の化学薬品により土壌の生物多様性が失われ、収穫後の土地はまるで砂漠のようになり
生えているのは薬品に耐性のある一部の草だけ
疲弊した土地で同じ収穫を得ようとするのはサステイナブルですらない

私たちはこの崩壊したシステムの中で何を目指しているのか

うちの祖父が良く言っていました「昔の野菜は味がもっと濃かった」と

痩せた土地で作る作物は昔と比べて栄養も落ちていて世界でも多くの人が主食とする米が、温暖化の影響で栄養が落ち近い将来主食としての役割を果たせなくなるという記事もあります

微生物とわたしたち

土中の微生物が1エーカーに1%増えるだけでその土地に保有できる炭素の量は10トンも増える

普段意識もしないけれど、私たちは普段多くの微生物と共に暮らしていて

私たちの顔にもたくさんの微生物が住んでいます

もちろん身体の中にも

“私たちは食べた物を消化吸収しているのではない、微生物が吸収してリリースした物を私たちが栄養として吸収しているのだ“と作品中でも言っています

だから私は発酵食品が好きなわけですが、体内だけでなく外の世界でも私たちの生活を様々な面で支えてくれている良い微生物たちと仲良く暮らしていく事が環境再生の鍵となるという視点の作品は珍しい

そして炭素は温暖化の原因として“悪いもの”と認識する人が増えたかもしれませんが、必ずしもそうではなく、地中に取り込まれた炭素は栄養になる

人間がバランスを崩さなければ自然はうまく回っていて、本来私たちもそのループの中にいる動物の1種にすぎないという事を改めて認識させてくれる作品です

私たちも食べ物を自分たちで育てたいねと話していたので個人的にはジェイソン・ムラーズの畑がよかった!

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