【ハワイ】イゲ州知事とCOP26

ハワイと持続可能性

パリ協定とハワイ

COP26がいつも通り、私たちを置き去りにし弱者を見捨て、何も達成しないまま閉幕しました

少し時を遡ります
2016年にドナルドトランプが第45代大統領になり、2019年にパリ協定離脱を正式に表明しましたが
ハワイ州は大統領が離脱をしても州として履行を目指すとする州法に署名をしています

パリ協定の履行を州法で定めたのはハワイが初めて

また、ニューヨーク州やカリフォルニア州などが政府の意向に反しても温暖化対策を進めるという「米気候連盟」を結成し、ハワイ州もこれに参加しています

イゲ州知事はこう言っています

「私たちはテスティンググラウンドだ…私たちは自然環境に限りがあることに特に気がついている」

「潮位はより高くなり、生物の多様性は失われていく、珊瑚は白化し、海岸線は侵食され、天候はより極端になってきている。私たちは地元でこれらの現実を認めざるを得ません、だからこそハワイは気候変動への取り組みに関する政治的リーダーシップで団結しているのです」

“We are the testing grounds. … We are especially aware of the limits of our natural environment,”

“Tides are getting higher, biodiversity is shrinking, coral is bleaching, coastlines are eroding, weather is becoming more extreme. We must acknowledge these realities at home. That is why Hawaii is united in its political leadership on tackling climate change”

Hawaii Signs Legislation To Implement Goals Of Paris Climate Accord Anyway
Hawaii Signs Legislation To Implement Goals Of Paris Climate Accord Anyway
Gov. David Ige signed the Senate bill on Tuesday, saying he was motivated by the evidence of climate change visible in H...

この法律により、ハワイは温室効果ガスの排出量をパリ協定のに合わせ取り組んでいくこととなりました

また、先日の記事「ハワイと再生可能エネルギー」で取り上げたHCEIのもと、2008年から再生可能エネルギーの発電比率を上げる努力もなされています

イゲ知事とCOP 26

今回のCOP26にイゲ知事は参加しています

オレゴン州知事のケイト•ブラウン州知事【民主党、アメリカで初めてバイセクシュアルをオープンにした知事、法務博士】
ワシントン州知事ジェイ•インズリー【民主党、親の影響で環境問題に若い頃から興味を持った、法務博士】
イリノイ州知事のJ.B.プリツカー【民主党、ハイアットホテルチェーン有するプリツカー家の1員で純資産$3.6ビリオン、法務博士】
などと一緒にいくつかのイベントやパネルディスカッションに参加していたようです

イゲ知事の説明した、ハワイがこれまでに行ってきたこと、そして気候変動と戦うためにこれから実施したいと考えている事には下記などが含まれています


ハワイ州内の島間のフライトを電気飛行機にする事
船は地元のサステイナブルなバイオ燃料にする事
州職員に出張の際は電気自動車を借りる事を可能な限り義務付ける事
中型及び大型の車両や機器に電力を供給するために水素に切り替える事
2030年までに1億本の木を植える事
 

またイゲ知事は「パンデミックで自宅からのリモートワークをする方法を人々が見つけた時、私たちはいかに空気が急に綺麗になり海が珊瑚を回復させたかを見ました。そしてもし私たちが機会さえ与えてあげれば、私たちが思うよりもずっと自然が私たちを助けてくれるようになるのだという事を私たちはよく知っているのです」とも発言しています

Governor Josh Green, M.D. | Page not found

ネットゼロの先へ

https://thehill.com/policy/equilibrium-sustainability/580567-hawaii-governor-urges-bolder-climate-action-net-zero-is-not

島のコミュニティが気候変動の不均衡な影響を受け続けているため、「ネットゼロ」を超えた排出削減目標を目指します

現バイデン政権は、今後数十年以内に温室効果ガスの排出量を「ネットゼロ」にする事を目標としており、アメリカは気候汚染を完全に排除、もしくは相殺しようとしています

しかしハワイ州はさらに進んでおり、COP 26に集まった他の知事に「ハワイ州は2045年までに、もしくは実行可能な限り早く、ネットネガティブにする事に取り組みます。ネットゼロは十分ではないから」と話しました

「諸島として、私たちは海面上昇、雨の爆弾、珊瑚の発火によってすでに直接の脅威に晒されています
地球温暖化を1.5度未満に維持出来なければ、これら全てがさらに激しくなります」

ハワイは2015年に深刻なハリケーンシーズンに直面し、2018年には「激しい雨の爆弾」が続きました

イゲ知事の言った現象は「私たちの存在を脅かしている」ため早急な対応が必要です

知事によればハワイは100%再生可能エネルギーに取り組む最初の州であり、2035年までに履行予定でしたが
州当局は現在、ネットゼロの目標では不十分であると認識しています

イゲ知事は航空や海上輸送など、州の交通インフラを変革する必要性を強調しました
その目標は上記の通りですが、他にも天然資源への投資を優先している事なども話していました

まとめ

イゲ知事の発言通り、ハワイ州はすでに気候変動の影響を受けており、私たちも肌で感じています
年々酷くなる西側の火事、歴史的な暑さの続く夏、海岸線の侵食、白化し藻に覆われた珊瑚
全てが実際に私たちの目の前で起きている事です

それでも気候変動を頑なに認めなかった共和党のトランプ前大統領、それに反いても気候変動は揺るぎない事実であり島である我々はその影響を不均衡に、すでに受けていると対策を進めた民主党のイゲ知事

このコロナのパンデミックでより目に見えるようになりましたが、本土を見ても州のリーダーやローメーカー達が共和党であるか民主党であるかで州の方向性は真逆になるため
気候変動への対策もそれによって行ったり来たりします

ハワイ州は今まで民主党の地盤の強い、圧倒的なブルーステートとして知られていましたが
私が見る感じでは年々、共和党支持が増えているように思います

物価の高さと賃金の安さから生活が立ち行かなくなり、本土への引っ越しを余儀なくされるローカルが絶えずニュースになるほどである一方、世界の富豪が家を持ち、コロナ状況の良い州であった事から余裕のある層は引っ越してきました

その本土出身層に共和党支持者が多いように見えます

もちろんオアフ島には様々な米軍基地が集まっているため、ミリタリーは伝統的に共和党が多い組織でありますし
モルモン教徒の多い地域にもトランプ支持者が多い印象でした
そして意外なのが、ローカル色の強い地域でも共和党派がかなりいる事です
これは全米1の貧困州であったウェストバージニア州にトランプ支持者が多かったことと同じ心理のように思います

今までずっと民主党の強い州だったのに生活は苦しくなるばかり、民主党のイゲ知事はハワイを売っているピエロと実はとても不人気で、
そのため反対の共和党にすればうまくいく、と単純に党で判断しがちなのは怒りや憤りから視野が狭くなっているせいなのかもしれないし、
アメリカの他の州に比べ教育レベルの低さや大学進学者が少ない事も関係あると思います
ハワイは年々ブルー色が薄まっています

私が怖いのは、これが共和党に変わった時です
もちろん来年の中間選挙も心配していますし、その2年後の選挙も万が一にも共和党の大統領が出ないことを祈るばかりで
これにより、気候変動はもちろん私のありとあらゆる人権が危機に晒されるかどうかの話でもあります
いずれにせよ生きていくためにはアメリカでは民主党に頑張ってもらわねば私たちの未来がありません

ハワイは政府の方向に関わらずネットゼロの先のネットネガティブを目指し、自給率を上げ地元でのクリーンエネルギーへ移行しコミュニティの絆を強めようと様々な活動が見られます

私もこれを自分の国、自分の地元に紹介して広める事を目標にもっときちんとした活動をしていきたい!と思っています

今日はこれで以上です!

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