【ハワイ】電気会社と気候変動

ハワイと持続可能性

ハワイアンエレクトリックは2030年までにカーボンエミッション(炭素排出)量を70%削減するという目標を設定しました

Hawaiian Electric pledges to cut emissions 70% by 2030
The emissions reduction includes generation owned by Hawaiian Electric and independent power producers who sell electric...

この削減には、ハワイアンエレクトリックが所有する発電と、電力会社に電力を販売する独立系発電事業者が含まれます

電力会社はまた2045年までに、もしくはそれよりも早く発電からのネットゼロまたはネットネガティブの炭素排出量を達成する事に取り組みます

2005年比で発電からの排出量を70%削減することは、ハワイ経済全体が2030年までに少なくとも50%は炭素排出量を削減するというアメリカの目標を達成するために必要な削減の多くの部分を担います

「ハワイアンエレクトリックは、ハワイでのこの10年間の炭素排出量の削減、特に輸送において重要な役割を果たしているため、この新しい目標は重要です」とCOP26でイゲ知事が発言しています

「COP26は、ハワイがすでに多くの事をしたとしても、私たちはさらに多くの事をしなければならない事をはっきりと明らかにしました。協力して取り組むことで、ハワイはこれらの目標を達成するために役割を果たすことが出来ます。私たちは、この地球の残りの人々が、私たちのコミュニティの最善の利益であるとわかっている事をするのを待つつもりはありません。」

電力部門の70%の排出削減に牽引され、運輸、農業、建設、工業を含む残りの州経済はアメリカのターゲットに合わせるためにも2030年までに排出を少なくとも40%削減する必要があります

ハワイアンエレクトリックの今後9年間の予測では、現在使用されている化石燃料に代わり再生可能エネルギーが着実に増加すると予測しています

2030年計画の重要な要素は次の通りです

  • 2022年に州最後の石炭火力発電所を閉鎖
  • 50,000近くの屋上ソーラーシステムを追加
  • 少なくとも6つの化石燃料発電ユニットを廃止し、新しい再生可能資源がオンラインになるにつれて他のユニットの使用を大幅に削減します
  • 共有ソーラー(コミュニティベースの再生可能エネルギー)を含め合計で少なくとも1GWを生成出来る再生可能エネルギープロジェクトを追加する
  • より多くのグリッド規模と顧客所有のエネルギーを使用する
  • 地熱資源の拡大
  • 1日の特定の時間に クリーンで低コストのエネルギーを使用し、夜間に化石燃料の少ないエネルギーを使用するインセンティブを顧客に提供する革新的なプログラムを作成する
  • 2030年までに、ハワイ島とマウイ郡では発電力のほぼ100%を再生可能資源で提供します

ハワイアンエレクトリックによると、原子力、天然ガス、大規模水力を使用する公益事業以外の発電オプションが少ないハワイでは、炭素排出量を70%削減することは困難です

さらに言えば近隣の州から電力を輸入する事も難しい

The Nature Conservancy, Hawaii and Palmyra支部のエグゼクティブディレクターであるUlalia Woodsideは次のように述べています
「ハワイアンエレクトリックが大体エネルギーのソースを探しているのは正しい事です。これらの取り組みは、強力で健全なコミュニティの意見と同意を得て検討し、最高の科学から情報を得て、在来の生息地と種を保護する方法で行う必要があります

まとめ

実際のところ70%を達成するにはしっかりと努力と行動をしなければいけないようです

しかし「何年までに」、だけでなく「もしくはそれよりも出来る限り早く」という文言が入っているのが嬉しいところ
そして実際、2015年までに再生可能エネルギー発電率15%が目標でしたがそれを超え、2020年目標の25%に迫る23%と行動を見せてくれていたので2030年目標もそれより前に達成できたらなと思わずにはいられません

日本も気候変動の影響を最も受ける国の1つとされていますが、ハワイもその他太平洋諸国と共に不均衡な影響を受ける脆弱なエリアの1つ

すでに様々な影響が出ていて一時凌ぎの復旧作業にも常に追われています

物価だけが全米トップで給与水準は低く生活の苦しい庶民と世界的富豪で経済格差も激しく、日本より多くのホームレスも抱えるハワイ
先進国の市民層だってグローバルサウスであり、低所得層やマイノリティの多いエリアは災害にも弱い、女性の権利は非常時にはより失われる
我々もグローバルサウスだし、MAPAだし、移民で有色人種で女性で難病持ちで免疫不全の私は社会的弱者なのです

もし今全ての化石燃料をストップしても、海面上昇は長年続くのだそうです
ハワイが1.5度のパリ協定履行を法律としたのは、すでに気候変動が自分の命を脅かす脅威として認識されているから

そして記事にもあったように、それへの取り組みは他の問題と交差性のあるものでなければならないのです

全ての社会問題は繋がっています、複雑に絡み合いながら
だからこそ、その繋がりを大切に交差性のある活動をしなければ他の活動に支障をきたし、見えないところで誰かや何かの命を無視することになってしまう
そうすると、自分の活動に正義がなくなってしまいます
活動は常に弱者の立場から。権力やお金に忖度してはアクティビズムではないのです

日本国内で交差性と正義のある環境正義活動を広めることが、今の目標の1つ

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