最近撤去の報道が出たハイクステアーズですが、「写真はよく見るがよく知らない」との声が多かったため2020年1月にインスタグラムにこの件に関してポストを2つしていました
それをこちらにも載せたいと思います
Haiku Stairs
通称”Stairway to Heaven: 天国への階段”と呼ばれているハイクコースの話をしようと思います(私はいつもレッドゼッペリンが頭をよぎる)
まず名前の通り、ここは3,922段のほぼ垂直な階段です
元は戦時中に海軍の通信設備として
山頂にラジオアンテナを設置するために作られました
老朽化のため1987年から「立ち入り禁止」なのでこのトレイルは「違法」です
現在は水道局の管理下にあります
違法コースであるにもかかわらずこのトレイルに来るハイカーはずっといました
でもインスタなどのSNSの普及でハイカーの人数が急増し
2015年に約2,500人
2017年には約5,150人にまでなったそうです
この階段へアクセスするには数本のルートがありますが、どれも私有地を通らなければなりません
想像してみてください
あなたが普通の静かな住宅地に住んでいたとして
まだ日も昇っていない朝方(警察の目を避けるため)、就寝中に毎日知らない人が自分の敷地に侵入してきたら？
しかもその人たちの大きな話し声や懐中電灯の灯りで目が覚めたら？
しまいにはその近辺にゴミが散乱していて
あちこちに違反駐車されていたら？
というわけで住民から苦情がたくさん出て
彼らはこの階段の取り壊しを求めていて時々ニュースにもなっています
これまで水道局はそこまで厳しく取り締まってはいなかったのですが
2014年アクセスポイントに常勤警備員
2017年からは特務警察官も配置され
2018年から罰則も厳しくなりました(以下参照)
1。罰金＄1,000
2。もしくは6ヵ月以下の禁固刑
3。弁護士費用＄800−1,500
4。約80時間の奉仕活動
5。抹消の法的費用(ちょっとこれが何をさすのかわかりません 笑)
6。ビザ、移民への影響
7。就職への影響
8。裁判所やコミュニティーサービスからの招集
Jウォークは罰金＄130
この1月からは3g以下の大麻所持も＄130のみ
それに比べるとだいぶ重いよね。。
これだけでもどれだけ住民からの苦情が多かったか想像できますが
ハイカー2名を住民がペレットガンで撃つという事件も発生しています
罰則を強化した結果
今はこのトレイルに行くのは年間500人ほどと言われています
(だいぶ減ったけどそれでもまだ500人も！)
じゃあここに行こうとする人が減ったのかというとそうではありません
まだ禁止されていない山の反対側から登ってきて階段を見るだけなら違法ではない、という事で
そちらのコースに人が移っただけで
今度はそちら側の住民から苦情が出ているのが現状です
また合法とは言っても
裏側のトレイルへの最初のポイントは7am-7pmの時間帯のみOK
なので日が昇る前からハイク開始は出来ません(しかし違法コースのため警察や警備の目を掻い潜るため早朝暗いうちからハイク開始)
また、階段が立ち入り禁止なので
裏側から行ったとしても頂上で階段に1歩でも立ち入れば
違法トレイル使用と同じ違法行為となります
ただ全員がこのトレイルの撤去を望んでいるかというとそうではなく
Haiku Stairsを残そうというグループもあり時々イベントで見かけます
私が見た時には啓蒙活動と署名活動を行っていました
ホノルル市長も水道局から市に管轄を移し
トレイルを修復し料金を取る事で合法にという可能性に興味を示していましたが
なかなか話が進みませんでした
その後市長も「保存を検討していましたが 周辺住民のみなさんに安心を提供する事が重要」と発表し
つい2−3日前のニュースで
1。現時点で市側から具体的な事が何も示されていない
という事
2。このエリアのセキュリティーのために
年＄250,000も費やしている事
3。山頂に誰かが勝手に(違法に)設置したブランコの
撤去のために＄24,000もかかったこと(2016年4月)
4。これらの費用は水道利用料から賄われていること (移管準備として2002年代に1度修理もしていて ＄875,000かかっている)
5。水道局のミッションはオアフの住民に
安全で手頃な値段で水を提供することである
にも関わらず＃4の理由でそれが出来ていないこと
などの理由から水道局は階段の撤去案を進める準備が出来たと発表しました
もう撤去案をファイナルで進めちゃうよ、というだけで
いつから撤去開始しますという内容ではないのですが
撤去には約1億円ほどかかる見込みである事が去年発表されています
まだ階段を全部撤去するのか
それとも費用削減のため
(&違法側から入れないように)最初の1,000フィートくらいだけを撤去するのか
(裏側から入る価値をなくすため)山頂の階段も撤去するのか
いろいろ議論されていますがまだ決まってはいません
ただ2022年目処で撤去の可能性が高いと言われています
というのがこのトレイルの大体のお話
概要だけでスペースとったので
次の記事にも続きます
